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騙されないで。N分N乗方式で「片働き世帯が有利になる」という発言は、ウソ。

ここ最近、俄かに、「N分N乗方式」という言葉が世間をにぎわせている。

所得税等の課税方式の考え方のひとつで、個人への課税ではなく、世帯単位で課税をしようというもの。

世帯単位の課税となると、子供が多い程、税額が減ることになるので、「少子化対策」として、注目されているのだ。

実際にこの税制を導入しているフランスでは出生率が回復している。



僕は、以前、このブログでも、「N分N乗方式」について取り上げたことがあるのだが、少し気になっているのは、財務大臣から首相に至るまで、更にはメディアまでも、決まったように、以下の発言をしている事である。

「共働き世帯よりも夫婦のどちらか1人が働くいわゆる片働き世帯が有利になる」


これは、明らかな誤りなので、NHKの記事を引用して、このブログで示しておきたい。
非常にわかりやすくまとめてあるので、ぜひ、多くの人に知ってもらえればと思う。

(夫婦共働きのケースは、納税額が30万7,500円になる)
s-NHK1.jpg
(画像参照:「N分N乗方式 少子化対策 納税額の計算方法は?わが家はどうなる」(NHK):https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20230203d.html)


(夫婦片働きのケースは、納税額が30万7,500円になる)
s-NHK2.jpg
(画像参照:「N分N乗方式 少子化対策 納税額の計算方法は?わが家はどうなる」(NHK):https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20230203d.html)


夫婦2人と子供2人で暮らす、4人家族である。

片働きでも、共働きでも、納税額は、30万7,500円である。

つまり、
「共働き世帯よりも夫婦のどちらか1人が働くいわゆる片働き世帯が有利になる」という発言は誤っている。

意図的に、これを発言しているとすれば、それはウソ、虚偽になる。

騙されてはいけない。



但し、基本的に世帯は「生活を一にするもの」と定義されているので、家族の支出は世帯単位で行われるのが自然な印象はある。

しかし、日本は、個人が課税単位になっている。

その背景には、この国が昭和まで家父長制であったという歴史を挙げることができるだろう。

女性は働くなんて考えられない時代があったのである。

ゆえに、課税者は家を代表する者、つまり夫一人への課税で十分であった。



今でも、いくつかの税制は、この家父長制時代の名残を引きずっている。

一方で、今は、夫婦共働きも当たり前だ。

ゆえに、制度上の歪みが顕在化してきている部分もある。

例えば、昨年問題となった、児童手当の逆転現象。

夫が900万円、妻が900万円、合計1,800万円の世帯が、児童手当をもらえて、

夫が1,200万円、妻が0万円、合計1,200万円の世帯が、児童手当をもらえないという、不公平極まりない事象だ。

これも、「女が働くはずがない」という大前提に立って構築されたルールであるからにほかならない。



しかし今は時代は変わった。男女の区別なく、共に働いて、平等に権利も義務も分け合う時代になったのだ。

世帯単位での、平等な課税に舵を切ることで、実態に少しでも近づき、課税の公平性を担保するべきであろう。

呑気にウソを言っている場合ではない。




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